「TSIエンジンを開発するうえで、一番苦労したのがスーパーチャージャジャーとターボが切り替わる際の、トルクの落ち込み抑制や違和感を感じさせない味付けでした」と語るのは、VW『ゴルフGT』に新たに採用された「TSI」エンジンを開発したフォルクスワーゲンAG新技術担当広報のクリストフ・コーネン氏。
TSIエンジンを搭載したゴルフGTに乗ってみると、コーネン氏のいうように、スーパーチャージャーとターボが切り替わるときの違和感やトルクの落ち込みはまったく感じられず、シームレスな加速感を味わうことができる。
発進時やアクセル全閉状態からの再加速時では、アクセルペダルの踏み込むスピードとそれに伴うパワーの出方に、若干のトルクの立ち上がり遅れを感じる。が、それ以外の領域では1.4リットルとは思えないほど力強くクルマを引っ張ってくれる。
さらに、そのパワーフィールは7000rpm付近まで落ち込むことなく、息の長い加速をもたらしてくれる。最初に1.4リットルと知らされずに乗れば、2リットルターボと勘違いしてしまうぐらいに、鋭いレスポンスと高回転域の力強さを両立している。
実際に0-100km/h加速も、2リットルターボの6.9秒に迫る7.7秒を実現。従来の2リットル自然吸気が9.5秒かかっていたのと比較すると、飛躍的に速くなっていることがわかる。
最初は1.4リットルと聞いて甘く見ていたが、これだけの速さが実現できているとは思わなかった。これだけの力強さがあれば、積極的にTSIエンジン車を選びたくなってしまう。