デザインの専門学校、東京コミュニケーションアート(TCA)は、スズキと産学共同プロジェクト「次世代のSUV研究」を実施、学生の8チームが9カ月をかけてデザインを開発、成果を発表した。
12月にスズキ社内でプレゼンテーションしたのに続き、1月20日、21日、東京都江戸川区の校舎で公開展示が行われた。展示されたのはデザイン説明展示パネル、1/4スケールモデル、エイリアスオートスタジオによるCGモデリング、レンダリング。
デザインのテーマ(課題)は、次世代のSUV。学生はSUVの多面的な特性をそれぞれに発展させ、バリエーション豊かな展示会となった。学生らがSUVの商品や市場をよく研究し、それらに対する提案を行ない、さらにその提案コンセプトをデザインに着実に反映させていることが印象的であった。
また企業の外にいる学生ならではの新鮮な思考を見せながらも、“次世代『エスクード』”レベルの現実味があり、とくにパッケージングの整合性には考慮がされていた。指導にあたったスズキデザイン部の吉村等部長は「誰が見ても納得できるデザイン、デザインの普遍性がある」と評価をのべた。
以下、作品解説(順不同)
『オルコロッソ』---走りの機能性とファッション性とを融合。小型SUVは用途の多様化が進む。インパクトのあるスタイリングでスズキの新しいイメージを築く。
『Laugh Maker』---“Life is Hobby”が開発のキーワード。SUVはホビーのためのクルマである。
『NEXT ESCUDO』---歴代エスクードの特徴であるスクエアなデザインを、前傾姿勢にアレンジした。
『C-sew』---City Sewing Tool、都会の道を縫って走るSUV。造形要素を減らしたスマートなデザインが特徴だ。
『BORDER FREE』---スポーツカーのようなスピード感を持つが、ルーフをオープンにすると6人乗りのレジャーカーとなる。
『GODZILLA』---都市向けの車でありながら本格的なオフロード四輪駆動車の機能性を持つ。樹脂パーツがSUVとしての性格を主張。
『RHYTHM』---価値観の多様化、女性の影響力増大、SUV市場拡大というのが開発の背景。
『ASOBIX』---その名の通り、遊びのための車。