一見すると普通の『ポロ』の車高を上げ、このクラスでは異例となる17インチのホイールを履いているだけのように見えるが、じつはエンジン、トランスミッションも1.6リッター+6速ATに換装されているなど変更点は見た目もよりも多い。
それはハンドルを握ってみても体感できる。標準のポロ(1.4リッター+4速AT)だと街乗りならじゅうぶんな反面、高速道路や山岳路を含んだロングドライブ時に感じてしまうパワー不足感が一気に解消された。
しかし、足まわりのほうはタイヤが若干勝ち過ぎている感じ。乗り心地では標準のポロに劣る。河原や林道にも入っていけるクロスオーバーというコンセプトを考えると、タイヤは16インチ程度にしておくべきだったのではないか? と思う。
加えて、239万円の価格にもちょっと疑問がある。ほとんど同じ価格で、コンセプトは違うものの格上のゴルフの1.6リッター(こちらには直噴エンジン)を買えるし、日本車で同じコンセプトのスズキ『SX4』なら2リッター+4WDでも200万円少々。購入する場合にはライバル車もよく検討しておくべきだろう。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★☆☆
フットワーク:★★★★☆
オススメ度:★★☆☆☆
国沢光宏| 自動車評論家
学生時代から執筆活動を開始。現在、『CARトップ』、『ベストカー』などに寄稿する一方、AM/FM局でのパーソナリティ、WRC解説も行う。クルマ選びからドライビングテクニック、業界ニュースなど、広く深くが取材目標。