ずっとウワサされてきた日・伊の合作がついに登場した。フィアットとスズキの間に生まれたスズキ『SX4』は、スポーツ・クロスオーバーとしてよくできたクルマだ。
とくに評価したいのは、あの巨匠ジウジアーロが率いるイタルデザインが作った外観。ベースは『スイフト』なんだけど、ルーフが高いぶん、家族が使うににぴったり。しかし、グレーの内装色のみの設定をもう少し考えてほしい。
実際走ってみると、1.5リッター車のほうが2リッター車よりもバランスがいい。もちろん排気量の多いぶん、2リッター車は力強いが、シフト時にトルクが大きく変動するのが気になる。5速ATがあったら、よりスムーズな変動ができるだろう。
ステアフィールや乗り心地はこのクラスにしては、よくできている。ただ不整路面での突き上げ感は少しキツい。ハッキリいって、スイフトに初めて乗ったときほどの感動はなかったが、スイフトよりルーミーなハッチバックが欲しい人にハマる一台だろう。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★☆☆
フットワーク:★★★☆☆
オススメ度:★★★☆☆
ピーター ライオン|モータージャーナリスト/コラムニスト
60年豪州生まれ。88年から東京を拠点に自動車評論活動を始める。現在、米・英・独・伊・豪・日本など10カ国の有力誌に寄稿。(日本)COTY、(米)『カー&ドライバー』誌「10ベスト賞」、ワールドCOTY賞、国際エンジン賞、各選考委員を務めている。