【インプレ'06】両角岳彦 ホンダ『ゼスト』 走りのスパイス

試乗記 国産車
【インプレ'06】両角岳彦 ホンダ『ゼスト』 走りのスパイス
  • 【インプレ'06】両角岳彦 ホンダ『ゼスト』 走りのスパイス

『ライフ』と骨格まで共用しつつ「お色直し」をしたクルマであり、外観の造形はかなり違うものにしているけれど、室内に入るとさすがに細かい表現や色は変えても基本は共通の部品が多い。

シートも基本は同じだがやや平板な感触で、ルーフを少し持ち上げたぶんは頭上の空間だけが増えたという、ステップワゴンにも共通するホンダ流の広さ表現。空間そのものが限られる軽ではもっと論理的な空間デザインのほうが好ましい。

走りのほうも基本は共通だが、妙に頼りない動きに終始するライフに比べれば、足もとも手ごたえも少ししっかりした印象。クルマの動質の仕上げ方を知っているシェフが、最低限押さえておかなければならないポイントだけでも指示して調味させた感じがした。

しかしいまの日本の軽の中にはもう少ししっかり、しっとりまとまったクルマがほかにある。背高空間型が欲しいのなら『ムーヴ』系、上半身を包む空間の広さを求めるなら『タント』をどうぞ。

■5つ星評価
パッケージング:★★☆☆☆
インテリア/居住性:★★☆☆☆
パワーソース:★☆☆☆☆
フットワーク:★☆☆☆☆
オススメ度:★☆☆☆☆

両角岳彦| 自動車評論家
1951年長野県松本市生まれ。モノごころついた時からクルマが好き。大学・大学院と自動車工学を修め、自動車専門誌を経て独立。自動車の工業製品としての本質を追究した評論活動を行なっている。

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