デンソーは、三菱自動車と共同で、小型、軽量で低コストのフロントエンドモジュール(FEM)を開発したと発表した。新開発FEMは新型軽自動車『i』に採用した。
今回開発したFEMは、ラジエータ、エアコン用コンデンサ、ウオッシャタンク、電動ファン、モータ、ダクトを骨組みの構造物(キャリア)と一体化したもので、モジュール化されていない従来構造と比べ、体積が約30%、重量が約20%低減できたのに加え、コストも低減した。
デンソーは、2002年にFEM用に長繊維ガラスで補強したポリプロピレン材を使用した軽量で高剛性の樹脂キャリアを開発した。従来のキャリア材質より比重の小さいポリプロピレン材を採用、形状を工夫することで、より十分な強度を確保しながら、キャリアの一層の軽量化と低コスト化を実現した。
さらに、従来、キャリアにヘッドライトを裏から支えるのに必要だったステー部を、ヘッドライトがキャリアと車両フェンダーの周辺部だけで固定できる構造とすることで、ステー部が不要になり、キャリアを小型化した。
また、従来のデンソー製FEMと同様、ラジエータとコンデンサ、電動ファンの空間を最小限まで小さくするとともに、キャリアと熱交換器、電動ファン、ダクトの最適設計により、部品単体の改良だけでは難しい熱交換器の高効率化を図り、モジュール全体を小型軽量化した。