A、Bとくれば、メルセデスベンツ『Bクラス』のデザインは、『Aクラス』のストレッチ版と思うかもしれない。しかし開発中に『CST』(コンパクトスポーツツアラー)と呼ばれたBクラスは、ダイナミックでスポーティなデザインテーマだ。
プロフィールをモノフォルムに近づけたAクラスと違い、Bクラスではノーズとフロントウィンドウを折り、グリルも立て、ノーズとグリルの存在を主張する。フロントフェンダーとフードは別々の造形要素とし、ベルトラインの延長をヘッドランプに繋げ、エンジンの存在とタイヤの踏ん張り感を強調する。
サイドのキャラクターラインも、Aクラスより深く彫刻的にダイナミックだ。そしてリアサイドウィンドウ後端が“Jライン”のAクラスに対し、Bクラスのリアサイドウィンドウ後端は前傾し、Dピラーは台形だ。
これらのデザインの特徴は、同じく開発中に『GST』(グランドスポーツツアラー)と呼ばれた『Rクラス』と同じテーマだ。BクラスはAクラスのストレッチではなく、Rクラスと同じ、ダイナミックでスポーティなテーマなのだ。