スズキは20日、都内のホテルで記者会見を行い、その席上、鈴木修会長は昨年を振り返り、「非常にラッキーな年だった」を語った。
というのも、スズキにとって昨年は5カ年計画の1年目だったが、その計画が予想を上回るペースで推移しているからだ。日本、ハンガリー、インド、中国で同時に生産を開始した『スイフト』が、中国を除く各地域でバックオーダーを抱えるほど好調で、目標にしていた年間25万台を遙かに超えそうな勢いを示している。
軽自動車の販売についても、33年連続してトップを達成。また、為替についても、予想したよりも円高に振れ、その結果、「上方修正を久方ぶりにやることができ、ホッとしているところ」と鈴木会長。
おまけに、11月には『スイフト』が日本でRJCカーオブザイヤーを受賞したのをはじめ、オーストラリアやインドでも同じようにスイフトがカーオブザイヤーを受賞、文字通りいいことずくめの1年だったといえる。
しかし、鈴木会長はこう警鐘を鳴らす。「状況のいいときに経営の危機を招く病原が巣くう。よき例がいっぱいあるわけですから、勝って兜の緒を締めなければいけない。今年も業績向上に励んでいきたいと考えている」
今年76歳を迎える鈴木会長だが、現役を退く考えは毛頭ないようで、これからもスズキを引っ張っていく構えを見せている。