新型『スイフトスポーツ』には従来の5速MTに加え、新たに4速ATがラインナップされている。5速MTは2速から5速までをクロスレシオとし、ギヤ比を近づけることで小気味よいシフトワークが可能となっている。
スイフトスポーツのミッションを開発したスズキ トランスミッショングループの祖母谷 聡和さんは「スイフトのマニュアルミッションは、スムーズなシフトチェンジができるよう、フリクションロスを抑えたシフトケーブルを採用し、2速にはダブルコーンシンクロを採用しています。基本的にはフリクションを減らしながらも、剛性感を高めています。さらに、クラッチも強化しておりますし、トルク容量も1.8リットル車レベルまでアップしています」とコメント。
実際にスイフトスポーツのマニュアルミッションは非常に扱いやすい。フリクションが少なくスパっスパっと入るのだが、あいまいなところがなく、キチッと思ったところにシフトレバーを導いてくれる。これならシフトミスを犯す心配は少ないだろう。
そして新たに設定されたATにも注目して欲しい。祖母谷さんは「ATは専用にファイナルレシオが下げられており、全体的にローギヤードな設定になっています。さらにトルクコンバーターの特性をチューニングしていますので、加速時には力強さを感じていただけるともいます」とコメント
事実、スイフトスポーツのATは、かなり加速重視に仕上がっており、引き締まった感じがする。シフトアップのタイミングも、多少引っ張ってから変速するので、自然にスポーティな走りが楽しめる。
シフトレバーのパターンは標準車と同じゲート式だが、このゲートは各ギヤのポジションがわかりやすく非常に使いやすい。これならマニュアルモードやステアリングスイッチがなくても、ATでじゅうぶんにスポーツドライビングが味わえるだろう。
「スイフトスポーツはマニュアルが当たり前」と思っていたが、意外にATでも走りを楽しむことができた。購入する人は、悩ましいトピックがさらにひとつ増えてしまいそうだ。(つづく)