7日に発売された『ランサーエボリューションワゴン』のボディは、実に手の込んだ作り方をしている。
通常、ワゴンのターボモデルを作る場合はワゴンのボディやプラットフォームをベースに補強を加えていくものだが、ランサーエボリューションワゴンは、エボリューションの専用プラットフォームの上に、ワゴンのルーフやサイドパネルを組み合わせ、さらにリヤ周りには多くの専用補強を施すという、手間のかかる作り方を採用している。
三菱自動車商品企画本部、藤井啓史さんは「エボの大パワーを受け止める4WDシステムを搭載するためには、エボの専用プラットフォームは不可欠でした。ですが、その上にワゴンのボディを乗せることで剛性の低下は免れません。そこで、リヤゲートの開口部には50カ所のスポット溶接の打ち増しを行い、さらにリヤサスペンションの取り付け部、ピラーの結合部分には大型の補強材を追加し、ワゴンとしては屈指のボディ剛性を確保しました」
「また、リヤはトレッドが拡大しているので、セダンのブリスターフェンダーを加工し、ワゴンのリヤフェンダーをカットしてそこに取り付けています。これらの補強材やボディの組み付けは生産ラインから離れて、熟練者の手作業によって行われております」とコメント。
事実、ランサーエボリューションワゴンのボディワークには、手作業を感じさせる手間のかかる部分が目立つ。2500台の限定車のために、ここまで複雑な作りこみを行う姿勢に、三菱のランエボに対する深いこだわりを感じ取ることができる。