三菱自動車は、来春発売する新型軽自動車の『i』から、車室内のVOC(揮発性有機化合物)を、厚生労働省が定めた13物質の室内濃度の指針値以下に低減すると発表した。
これにより、車室内環境の改善・快適化を更に進めるとともに、日本自動車工業会が発表した2007年度以降の新型乗用車に対する「車室内のVOC低減に対する自主的な取り組み」を1年3カ月前倒しで達成する。
VOCは、ホルムアルデヒドやトルエンなど、常温で揮発しやすい有機化合物で、新築の住宅・ビルなどに入ると目がチカチカしたり鼻やのどに刺激を感じるなどの体調不良が生ずる、シックハウス症候群の一要因とされている。
同社は、1999年からホルムアルデヒドの低減検討に着手、その後も継続してVOC低減に取り組み、その成果を2002年11月発売の『コルト』以降、順次適用してきた。
2003年5月発売の『グランディス』では、真夏の炎天下などの様々な環境下で内装部材から発生するVOCを詳細に分析することで、インストルメントパネル、フロアカーペットなどの発生源ごとに材料・構造・工法を見直し、部品自体に含まれるVOCの低減を図ったほか、VOCやたばこ臭・生活臭を吸着・分解する「消臭天井」を自動車業界で初めて採用するなど、車室内環境の改善に取り組んできた。
これらの対策の組み合わせに加え、来年春発売の新型車では、厚生労働省が定めた13物質の室内濃度指針値以下に抑制する。同社は、このVOC対策のほかに、花粉やダニなどのアレルギーの原因となる成分を分解・抑制する世界初のカーエアコン用フィルターの「アレルゲンクリアフィルター」や、紫外線・赤外線をカットする「UV&ヒートプロテクトガラス」など、も採用している。