上海モーターショー、長安汽車ブースのステージで華々しく公開されたSUVコンセプト『御風』。SUVでありながら陸風汽車ブランドではなく長安汽車のマークがついているのも不思議なのだが、御風にはさらに興味深いポイントがある。御風(Drive Wind)は、オフロード色を強調したやや古典的なSUV、いわゆる「ライトクロカン」的なデザインなのだが、筆者はそれ以上のデジャヴュを感じ、もやもやした気分で日本へと戻ってきた。フェンダーの張り出し部に埋め込まれた前後ランプ、リアゲートと一体化した円形のスペアタイヤカバー……、数日経過してようやく思い至ったのは、1996年のトリノモーターショーで公開されたザガートのコンセプトカー『ブラーヴォ・ビス』と、ディテールがあまりに似ているということ。ブラーヴォ・ビスは、フィアットが『ブラーヴォ/ブラーヴァ』をイタリアの各カロッツェリアに提供し、これをベースにさまざまなコンセプトカーを製作してもらうというプロジェクトのなかで、ザガートが作り上げたもの。ザガートが長安汽車と契約しているという話を聞いたことはないのだが、同社は安価なコンパクトカーの提案も活発に行なっているので、中国メーカーに協力していたとしても不思議はない。さらに、長安汽車はフォードと合弁しており、近年のザガートの成功作にフォード・グループのアストンマーチンがあるという事実が「御風はザガートが開発した」という想像を加速させる。果たして真相やいかに?
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