MINIのカタログには、MINIの走りを「サーキットから飛び出したゴーカート」と表現しているページがある。この表現はまさに的確で、あたかもレーシングカートのように、アクセルのオン&オフで操る楽しみがある。
当然、この動きはもっともエンジンパワーがあり、スポーティな足まわりを持ったクーパーSで顕著に現れている。クーパーSの走りは、ショートホイールベース&ワイドトレッドの恩恵で回頭性に優れ、フロントの動きは非常にクイックな反応を見せる。
コーナリング中にアクセルを僅かに戻せば、さらにノーズはインに回り込もうとし、そして適度な巻き込みを感じたときにアクセルを踏み込めば、フロントタイヤがグリップを回復して、ラインをトレースしてくれる。この感覚はまさにゴーカートだ。
新たに追加されたAT車も、このフィーリングは同じ。その上でギヤのチョイスが簡単になったので、ワインディングでは、よりイージーにゴーカート感覚を味わうことができるようになった。
BMW MINIディビジョンの西山雄一郎さんは「クーパーSのATのセッティングは基本的に、6速MTと同じ仕様になっていますので、ATでもクーパーSのダイナミックな走りを体験していただくことはじゅうぶんにできると思います」と語る。
今となっては希少となったハイパワーホットハッチの感覚を、2ペダルで操ることができるのはMINIクーパーSのATぐらいだろう。(つづく)