Lサイズラグジュアリーミニバンの代表格ともいえる、日産『エルグランド』に2.5リッターエンジンを搭載したモデルが追加された。
今までライバルの『アルファード』や『エリシオン』には、2.4リッターエンジンを搭載したモデルがラインナップされており、販売の主流になっていた。そこで、エルグランドもライバルを迎撃するために2.5リッターエンジンを導入した。
エルグランドに搭載されたエンジンは、『フーガ』にも採用されているV6の2.5リッター。ライバル車が2.4リッター直4エンジンなのに対して、振動面などでは有利なV6を搭載している点が光る。
エルグランドの開発責任者でもある、日産自動車商品企画本部、チーフプロダクトスペシャリストの庄ノ洋一さんは「やはりエルグランドには最上級ミニバンとしてのポジションがありますので、上質なV6エンジンにこだわりました。排気量も100cc余裕がありますので、ライバル車に比べて走りのクオリティは高いと思います」
さらに「2.5リッター化に合わせてミッションのギア比も変更して、発進加速や低速でのピックアップを重視しています。上り坂が続くような状況で、3.5リッターと比べると多少の力不足を感じるかもしれませんが、街なかではじゅうぶんな動力性能だと思います」とコメント。
実際に走らせてみても、市街地走行という条件では力不足を感じることはなかった。むしろ2トンを超えるボディを引っ張る割りには、予想以上の力強さを感じたほど。登坂路でも、長く続く坂道を5速か4速をキープしながら走るような場面では、3.5リッターに比べトルクの細さを感じるかもしれないが、3速程度のギアで登るような山道では、それほどパワー不足を感じることはないだろう。
車両重量がライバル車に比べ重いこともあって、2.5リッター車にはパワー不足が懸念されたが、実際に試乗してみてまったく問題ないことが実感できた。(つづく)