“R”たちと対面した。すると、ジーンワリと頬が緩んできた。自意識とは別に、心が勝手に躍動してしまう。ボルボの造形美は、いつもこうやって人の心を奪うのだ。
『V70R』は、長く見える(?)。05年モデルから採用のフルエクステリア・カラーコーディネーションの影響はかなり大きい。フロントとリアスポイラー(05年から中央にふたつのスリット入り)の下部、そしてモールディングがボディと同色(テスト車はフラッシュグリーンメタリック)になった。低く長いV70Rフォルム全体が、背景から浮き出して見える。
さらに、05年モデルから標準装備となったR専用の18x8ホイールも効果を発揮。5本スポークの表面と、タイヤのサイドウオールが同面上で融合。その流れが、ボディのウエストラインの丸みを強調してみせる。また、「V」の特徴、リアコンビライトの一部が、05年からリアレンズ&可視バルブ化された。
対する『S60R』。リア部分以外はV70Rと同じアレンジ。だが、2車は「まったく別のクルマ」を感じさせるほど違う。2車の「イメージ共通点」といえば、鋭角カットラインのマフラーテールが醸し出す「走りの誘惑」だけか。が、よく考えればS60RはV70Rより、全長75mm、全高40mm、そしてホイールベース40mm、とそれぞれ短いのだ。
前出の岡田さんは「(ワゴン、セダンが同ホイールベースの)旧V70世代たちとは違います。乗り換えた瞬間、VとSの差は感じますよ」と、補足してくれた。(つづく)