「同じ3.5リッターエンジンですが、『フーガ』と『フェアレディZ』では高回転まで回したときのフィーリングが違います」とフーガの開発責任者を務めた日産自動車 商品企画本部 大澤辰夫さんは説明する。
フーガに搭載されている3.5リッターエンジンはフェアレディZに搭載されているものと、基本的には同様のスペック。だが、そのフィーリングには少し異なった味付けがされているようだ。
「フーガのエンジンではレスポンスと高回転の伸びを重視したセッティングになっています。そのため若干ではありますが、低速トルクは抑え気味になってはいます。その結果、絶対的な加速感は落ちてしまいますが、このように高回転まで一気に吹け上がるフィーリングはアメリカでも好評でした。対してフェアレディZは、0-60マイル加速といったリニアな加速感を得るために、絶対的なパフォーマンスを重視しています」と大澤さんは語る。
実際にフーガに乗りエンジンを高回転まで回してみると、レッドゾーンの6600rpm付近までスカッと気持ちよく回りきる。同じ状況でテストができていないので、フェアレディZより軽快に回るかどうかは試すことができなかったが、高級車としては高回転での伸びを重視したスポーティなフィーリングに仕上がっている。(つづく)