軽自動車ベースの旧型モデルから本格的な小型車に生まれ変わったスズキ『スイフト』(1日発表・発売)。大幅に広げられたトレッド、大容量サスペンション、高剛性ボディなどにより、クルマとしての基本性能は格段に向上した。
走りの資質が上がった一方、気になるのは旧型で設定されていたちょっと硬派なスポーツモデル「スイフトスポーツ」のゆくえだ。スイフトスポーツは鍛造モリブデンピストン採用、カムプロファイル変更などによって高出力化された1.5リットル直4エンジンを搭載したFFスポーツ。
JWRC(ジュニア世界ラリー選手権)に出場し、圧倒的な強さを見せているスズキ「イグニススーパー1600」(『イグニス』はスイフトの欧州名)のイメージが投影されたモデルで、手軽に走りを楽しみたいユーザー層の人気を博していた。
スズキの関係者によれば、“新型”スイフトスポーツの開発はまだ白紙状態だという。「新型標準仕様の人気が出なければ、てこ入れのために開発することが考えられますし、人気が予想以上に高まった場合も、さらなる攻めという意味合いで追加する可能性もあります。ですが、現時点では具体的な計画はありません」(スズキ関係者)
新型スイフトはかなりスポーティなキャラクターだが、国内仕様については高出力版の1.5リットルモデルはATのみの設定というラグジャリー志向。現在は欧州が中心となっているJWRC人気の日本への波及ぶりやユーザーのスポーツ志向への回帰次第では、追加の可能性は決して低くない。