三菱自動車は、名古屋製作所大江工場の土壌・地下水汚染に関する調査を実施し、その結果を名古屋市に報告した。
同社の大江工場は、今年7月から8月にかけて、使用履歴のある揮発性有機化合物および重金属の7項目を対象に、土壌ガス調査と表層土壌調査を実施した。
8月には、濃度の高い土壌ガスが確認された地点で、深層のボーリング調査、地下水調査を実施した。その結果、敷地内部で土壌と地下水の汚染が確認された。
調査の結果、揮発性有機化合物についてはテトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、シス-1。ジクロロエチレンが、重金属等についてはフッ素・鉛が基準を超過する濃度が検出された。
設備、治具の洗浄においてテトラクロロエチレン、ジクロロメタンを、塗装工程においてフッ素、鉛をそれぞれ使用していたためと見られる。基準を超過した物質は、作業工程で使用していた特定有害物質が施設から漏洩し、コンクリートのひび割れなどから土壌中に浸透したと見られる。
今後の対策では、名古屋市と協議の上、早急に内容を検討する。工場敷地境界で地下水を分析した結果、揮発性有機化合物については全ての地点で基準に適合しており、工場敷地外へ拡散したおそれはないとしている。
フッ素に関しては工場敷地境界部で基準超過を確認したものの、この地域では、自然的要因により検出される濃度と同等レベルの濃度だったとしている。