65万円でエアコンやパワステ、運転席エアバッグまで標準装備しているベーシックグレードのマニュアル仕様に乗ると「これでじゅうぶんじゃないの!」と思う。普通に走り、少し柔らかすぎるけれど、キチンと曲がってくれる。万一、限界を超えたときの挙動だって問題なし。きっとボディ剛性をしっかり確保してあるのだろう。基本設計のよいクルマだと評価しておく。
ただ最上級グレードにオプション設定されている14インチのスポーティタイヤは「いけません」。ダンパーの動きが渋く、絶えず路面からの細かい振動を車体にそのまま伝えてしまっており大いに不快。新型アルトを買うなら、中間グレードがおすすめ。
個人的に「もったいないなぁ」と感じたのがデザイン(とくにフロント部分)。『ライフ』や『R2』のようにオーソドックスだったら、もっと売れたんじゃなかろうか。スズキとダイハツという軽自動車のビッグ2は、どうにもデザインが上手でありません。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★☆☆
フットワーク:★★☆☆☆
オススメ度:★★★☆☆
国沢光宏| 自動車評論家
学生時代から執筆活動を開始。現在、CARトップ、ベストカーなどに寄稿する一方、AM/FM局でのパーソナリティ、WRC解説も行う。クルマ選びからドライビングテクニック、業界ニュースなど、広く深くが取材目標。