先代の『パンダ』と比べればグッと”普通”のクルマになったものの、やっぱり日本車より濃い味を持っている。クルマ全体の挙動がシャープでダイレクトなのだ。いや、ドイツ車のように硬いだけでなく”しなやか”でいながら、腰があるというイタリア車独得の乗り味です。
エンジンはカタログスペックで60psしかないと思えないほど元気。ドイツ車やフランス車だと「レスポンス悪くてかったるい」としか感じないシーケンシャルタイプのAT(普通のマニュアルミッションを油圧で操作するタイプ。ヨーロッパの小型車に多い)すら、パンダなら不思議に許せる。おそらくミッション以外の個性の方が濃いため、気にならないのだろう。
リアシートの広さは期待しないこと。絶対的なボディサイズからしてコンパクトなのだから仕方ない。もっとも気に入ったのは、内外装のデザイン。イタリア車を目標にデザインされた日本車も多いが、パンダを見ると「さすがだな!」と感心。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★☆☆
フットワーク:★★★★☆
オススメ度:★★★★★
国沢光宏| 自動車評論家
学生時代から執筆活動を開始。現在、CARトップ、ベストカーなどに寄稿する一方、AM/FM局でのパーソナリティ、WRC解説も行う。クルマ選びからドライビングテクニック、業界ニュースなど、広く深くが取材目標。