昨年の東京モーターショーで発表され、3年以内に市販することを発表した、ガソリンと水素の両方で走行できる、水素ロータリーエンジンを搭載する『RX-8 HYDROGEN』(ハイドロジェン)。
現在は市販に向けテスト走行が行われているが、今回の東京モーターショー(11月2日−7日、千葉・幕張メッセ)にも水素ロータリーエンジンが技術展示コーナーに出品される。
ロータリーエンジンは大量の燃料噴射が必要な水素の使用に適しており、ガソリン用から多くの改造を必要としないという特徴がある。しかもガソリンのラインもそのまま残しておけば、燃料の供給切り替えさえ行えば、両方の燃料を使うことができるメリットもある。
RX-8ハイドロジェンはトランクに74リットルの水素タンクを搭載し、この水素を使っての航続距離はまだ70km程度と短いものだが、ガソリンタンクは通常のものが残されているので合計で600km以上の走行が可能。水素とガソリンの切り替えれはインパネのスイッチで簡単に行うことができる。
水素を使った場合の最高出力はガソリンの約半分となる110PSで、最大トルクも約半分の120Nmとなる。だが、水素の走行でも最高速度は180km/hは可能とのこと。運転したフィーリングもパワーはないものの、特に難しくはないという。
今後は公道でのテストも開始し、約2年後には10台前後を官庁などにリースするという形で市販化の道をたどる予定だ。
燃料電池車はシステム購入にまだコストがかかるいっぽうで、水素ロータリーはガソリンエンジンを改良するだけなので、コストは抑えられる。一般消費者の手に渡るには何年かの時間がかかると思われるが、燃料電池車までの過渡期のシステムとして期待できるユニットだ。