大き目のシートはシートバックが高く、腰のホールド感もとてもよい。ハイトコントロールの調整範囲が広いのとハンドルのチルトとテレスコピック機能によって、多くのドライバーがぴったりフィットするドライビングポジションを選ぶことができるだろう。リヤシートもレッグスペースは3シリーズより少し狭いものの、ヘッドクリアランスもたっぷりしているので窮屈感はない。
エンジンは四角いリモートコントロールキーをダッシュボードのスロットに挿して、丸いスタートボタンを1回押せばエンジンが掛かる。このときブレーキペダルを踏んでいる必要がある。MTの場合にはクラッチペダルも。このスタート方法は7シリーズと同じである。
走り始めると乗り心地のよさをすぐに感じることができる。RFTは硬いというイメージがあるが、ゴツゴツ感はなくブルブルした振動も伝わってこない。試乗車は標準の16インチより偏平な17インチを履いていた。ボディの作り方が非常にうまくなって、BMWはつぎのフェーズに上がったようだ。
ハンドリングは安定感が高く、アウトバーンで最高速の220km/h弱まで出してみたが不安感はなかった。そこでハンドルを小さく速く切ってみたがフラツキは小さく安心感が高い。にもかかわらずタイトターンではとてもよく曲がってくれる。ハンドルを切り込むとその通りについてくるフィーリングだ。
グリップ限界は高く、滑り出したときの動きも穏やかでコントロールし易い。もちろんそれ以上滑ればDSCが介入して抑えてくれる。
ボディとサスペンションのレベルの高さもあるが、前後50:50という重量バランスにこだわったBMWのクルマ作りの手法がこの1シリーズにも生きていると実感した。
気になる日本導入だが、トップモデルの120iのデリバリーは10月からで、ボクの予想価格は税込み330万円ほど。また、来年になるとミドルレンジの118i(2リッター低馬力エンジン)、116i(1.6リッター)も登場する模様だ。これは税込みでアンダー300万円のプライスタグになりそうだ。