【PTクルーザーカブリオ試乗】予想以上に快適なオープンカー

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7月1日から発売された『PTクルーザーカブリオ』は予想を大きく上回る快適性をもったクルマだった。スタイルはセダンと比較して90mmも全高が下げられたチョップドルーフとなり、見た目は随分とクールになった。しかし全高は下がっても、もともとの室内高に余裕があったため運転席座っても圧迫感はない。そしてそれは後席も同様。乗車定員は4名になるが、後席にも大人2名が快適に座ることができる。

オープンへの変身もわずか10秒ですんでしまう。フロントガラス上部中央のフックを手動ではずす必要があるが、あとはサイドウインドウも連動して簡単にオープンにすることができる。オープン時の開放感は抜群で、プジョー『307CC』やVW『ニュービートルカブリオレ』と比べてもフロントウインドの傾斜が少ないので、頭上前方の視界にも青空が広がる。

前席と後席の間にあるスポーツバーと呼ばれる、ロールバーが整流効果を生み、風の巻き込みを防いでくれるので、大きな開口部のオープンカーとしては前も後ろも風の巻き込みは少ない。通常オープンカーの後席は風の巻き込みがひどく、長時間乗れたものではないが、PTクルーザーカブリオなら、オープンのまま後席に人を乗せ、ちょっとしたドライブに出かけることもできるだろう。もちろんスポーツバーはボディ剛性の確保にも一役買っている。

エンジンはオープン化に伴いボディが70kg重くなっているために、4ドアセダンに比べ400ccアップの2.4リッター直4DOHCが搭載されている。400ccアップの効果は大きく、信号待ちからのスタートダッシュも俊敏に決めてくれる。さらに全体的にフラットトルクなので市街地でもとても扱いやすいエンジンだ。決して上質でもなければ、回して楽しいエンジンでもないのだが、このクルマにはベストマッチしているように思う。

ボディもPTクルーザーの屋根ナシと思っていたためか、予想以上にボディ剛性が高く、舗装の荒れた路面に遭遇してもボディがきしむようなことはなかった。意外だったのは3層構造で作られたソフトトップの剛性の高さ。クローズドの状態では遮音性も高く、高速走行時にバタつくような印象は皆無。閉じた状態ではセダン並みの快適性を見せてくれた。

PTクルーザーも実際乗るまではレトロテイストの、いわゆる企画モノ的なイメージがあった。だが実際にはミニバン顔負けの使い勝手の良さを持っていることに驚かされた。そしてこの『PTクルーザー カブリオ』も一見単なるオープンカーに見えるが、じつは使い勝手や居住性にかけてはかなり煮詰められたクルマであった。もしかしたら『PTクルーザー カブリオ』は、老若男女を問わずもっとも多くのユーザー層に訴求することができるオープンカーかもしれない。

《岡島裕二》

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