“上質なコンパクトカー”を謳うマツダ『ベリーサ』(28 日発表・発売)。「上質=高級ではありません。こだわりを持ってモノを選ぶ人たちを納得させる商品が、上質な商品なんですよ」とは、国内マーケティング本部で商品ブランドマーケティングを担当している遊上孝司さんの言葉。
上質といえば高級な素材を使ってお金をかけた様子をイメージしがちだが、マツダの考える「上質感」は単純な「高級」とは方向が違うというのが興味深いポイントだ。
「ベリーサのこだわりは、シンプル、クオリティ、コンパクトです。この3つのキーワードでベリーサの上質感を作り上げているんですよ」
「たとえばシートです。いろんなシートアレンジが実現可能で、『こんなこともできます』とアピールしているシートは、ベリーサにはあえて採用しませんでした。そのかわりサイズが大きくクッションを厚くして、ゆったり座れるシートを組み合わせています。これが私たちの考える『上質』のわかりやすい例ですね」
「それから、レザーパッケージのシートでは、すべて革張りではなくあえて座面をファブリックにしているんです。フルレザーのシートの見た目は豪華ですが、座ると滑るし、夏は暑く冬は冷たいんですよ。豪華さを強調するだけではなく、快適も考えているのがベリーサの上質感なんです」
「雰囲気造りのポイントとして、ブルーの糸を使ってダブルステッチを施したシートサイドのステッチ(レザーパッケージ)も、コーディネートのちょっとしたこだわりなんですよ。目立たないんですけどね(笑)」
快適性と素材から感じる雰囲気を重視したコーディネートが、インテリアの上質感の最大のポイント。ディーラーで実車に触れる機会があったら、開発陣がベリーサに込めた「上質感」を探してみるのも楽しそうだ。