フォードから発売された新型コンパクトカーの『フィエスタ』。激戦を極める日本の輸入車コンパクトカー市場において、ライバル車に対しての優位性は? との問いに、フォード・ジャパンマーケティング本部 竹鼻淳氏が真っ先に「走行性能の高さです」と答えただけあって、プレス向けの試乗会にはコンパクトカーとしては珍しく、ジムカーナコースが用意されていた。
ジムカーナコースでのフィエスタの走りは、軽快感にあふれている。素早いステアリング操作にも難なくクルマが追従してくれ、スラロームのような右にロールが残ったような状態から左に切り返しを行っても、すぐにクルマが向きを変えようと動いてくれる。
タイトコーナーのターンでもロールはするものの、不安な印象を受けることはない。ハイグリップとはいえないタイヤを装着しながらも、意外なほど高い限界までクルマが粘ってくれ、限界を超えてからのコントロールもしやすい。
最近はコンパクトカーでも重心が高いクルマが多いが、フィエスタに関してはその印象は皆無。走りに関してはライバル車のスポーツグレードを除けば、一歩抜きんでたものをもっているといってよいだろう。
ブレーキに関しても、ペダルの踏み応えは日本での使用を考慮して柔らかく変更されているが、フルブレーキングを行なっても姿勢の変化が少なく、いざというときに安心して思い切り踏み込むことができる性能を持っている。
フィエスタのメインターゲットは女性ということだったので、ジムカーナまでこなしてしまうほどフットワークが優れていたのは意外。ここまで走りが楽しければ、じゅうぶん男性ユーザーにも訴求できるクルマといえるだろう。(つづく)