【緊急小谷レポート】新道交法改正試案発表、その恐るべき中身とは!!(完結編)

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【緊急小谷レポート】新道交法改正試案発表、その恐るべき中身とは!!(完結編)
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■2004年民間委託法案提出には理由があった

経済産業省が02年5月に発表した「経済構造改革を巡る緒課題と経済産業政策」と題するレポートがある。このなかで、「公共サービス提供における官民役割分担の見直し」として、「民間でできることは、できるだけ民間に委ねる」との原則の下に、サービス内容に応じて官民の役割分担を見直して市場メカニズムの活用を図る、日本版PPP(公共サービス分野での官民協調による公共サービスの民間開放)を検討する。」と報告されている。
 
このレポートの方針を受け、経産省・経済産業研究所「日本版PPP研究所」(座長)がまとめた資料「日本版PPP(公共サービスの民間開放)の実現に向けて」(中間取りまとめ)では「民間開放の検討対象となり得る公共サービスの例」として、「駐車違反の取締り」がリストアップされた。

続けて、02年末の政府「総合規制改革会議」の『規制改革の推進に関する第2次答申』(12月12日)において「都市における交通渋滞を緩和し、効率的な経済活動を実現するためには、違法駐車問題の解決が重要である。都心部における駐車違反対応を効率化するため、当該業務の民間委託を推進することが必要である。

現在の制度においては、民間委託は、違法駐車車両の警告等に限られているが、今後、現場における駐車違反対応業務の民間委託を幅広く行うことができるように、広く国民の意見を踏まえながら、駐車違反に関する法制度の在り方を含めて検討すべきである。【平成15年度中に結論】」

と、駐車違反取り締まりの民営委託を求めている。この答申は12月17日に素早く閣議決定され、政府全体の方針になっている。つまり取締り民間委託とは、「規制改革」の文脈のなかで浮上してきた政策といことになる。

しかし実態としてはどうだろう。スバリ、警察庁の本音は全く別のところにあるのだ。
 
現在、公的機関であれ民間企業であれ、団塊世代の定年問題が組織として頭の痛い
問題になってきている。

99年当時の警察官の年齢構成に注目すると、40歳〜55歳(当時)が圧倒的に多い、いびつなピラミッドになっていることが理解できる。20歳〜25歳(当時)の4倍近い比率を見ても、そのいびつさがわかろうというもの。

仮に現行60歳定年制が維持されるとして、2006年以降、毎年1万人規模の定年者数が10年以上の長きに渡って続くのである。10年でざっと10万人規模の警察OBが、不況で就職難の一般社会に放り出されることになる。

警察組織としては、組織の秘密を守るために、そして現役警察官の忠誠心を高めるためにも、仮に定年後であっても、組織の中に囲い込んでおかなくてはならない。あるいは定年後の雇用をしっかりと保障しなければならないのだ。食い詰めた元警察官が現役時代の経験をペラペラとしゃべりはじめたり、組織批判をするなんてことがあってはならないのである。

しかしである。毎年1万人ともなると、天下りポストがいくらあっても足りない。

要するに警察庁の本音としては、「駐車違反取締りの民間委託」を警察OB再就職の受け皿と位置づけていることになるのだ。「駐車違反取締りの民間委託」法案が、国会に提出・成立したとしても、施行までの準備期間を含めて2年程度の準備期間が必要だろう。そこから逆算していくと、どうしても2004年通常国会に提出のタイミングをはずせなかったのである。

こんなシロモノのどこが「公共サービス分野での官民協調による公共サービスの民間開放」などといえるのだろうか。

→続報(12/29更新)

《小谷洋之》

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