【D視点】『プリウス』は21世紀のジャポニズム

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★期待の星、品位ある企業に変身

初代『プリウス』が誕生したのは1997年。ハイブリッドカーは燃料電池車より現実的とはいえ、ガソリンエンジンとは全く違う新しいパワーシステムであり、当時の燃料電池車を始めとした革新的なテクノロジーを求める機運なくしては、誕生は難しかったかもしれない。

例えばメルセデスベンツの『Aクラス』も燃料電池車を想定した車体レイアウトにしておきながら、とりあえずガソリンエンジンを搭載した。しかし、このAクラスもいまだに燃料電池を使ったプランは量販車に実現しそうにない。

プリウスはギリシャ語で「先んじて」の意で、世界に先駆けてハイブリッドカーを市場に投入する意気込みを示した。当時の技術競争が熱を帯びた状況の中で、高邁なビジョンというより、競合他社に遅れまいと思わずウサギのようにぴょんと飛び出してしまったのかもしれない。

しかし、競合他社の燃料電池車の実現が遅れれば遅れるほど、ハイブリッドカー、プリウスが企業イメージを高めるのに役立つようになってきた。2代目・新型プリウスを2003年のニューヨーク・モーターショーで発表したのはそんな時期であり、他に例のない量産ハイブリッドカー、プリウスを前面に出して、エコロジーに貢献する品位ある企業への変身の活動が確実に進展することを期待したい。

すでに勤勉な国民性や技術については、日本は世界に認められている。しかし真に尊敬される日本になるためには、19世紀後半のパリで注目を集めたジャポニズムのように、日本の文化を再度世界に認めてもらうことが大切だ。近年、地球環境が大きな課題となっており、元来日本にあったエコロジカルな生活文化に世界が注目する可能性は大きく、エコカーの拡大は歴史の浅い日本の自動車産業が世界で対等になる千載一遇のチャンスかもしれない。想像しただけでも胸がわくわくする。

1/3★ウサギとカメどちらが勝つか
2/3★尊敬されるカタチが高級?
3/3★期待の星、品位ある企業に変身

《松井孝晏》

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