【D視点】『プリウス』は21世紀のジャポニズム

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★ウサギとカメどちらが勝つか

トヨタ『プリウス』のファンクラブが面白い。メンバーのコメントは「ロボットカー」、「グライダーが大空を滑空していく感じ」、「電気モーターで音もなく後退する」、「20km/h程度でエンジンが着火する」など、目新しい技術の感動が一杯つまっている。

プリウスの特徴は、コンピュータでガソリンエンジンと電気モーターという二つの動力を制御し燃費の向上を狙ったハイブリッドシステムにある。ドライバーの意図というより、コンピュータがガソリンエンジンと電気モーターを使い分ける動作は、アクセルに反応するエンジン音を聞きながら操縦を楽しむ従来の運転感覚からすると馴染まない。しかし、プリウスは、ファミコンゲームの攻略やロボットの挙動に感心するような「クルマの新しい楽しみ方」を可能にした。

初代プリウスの、当時のデザイントレンドから外れた繊細なビードと平らな面で構成された軽い感じの3ボックスセダンは、街で多く見かけたのが白色ボディのせいか、白ウサギのようで乗っている人もさわやかさに感じられる。ハイブリッドを搭載した特別なクルマであることがすぐ分るプリウスのデザインがファンクラブ誕生に貢献したことは想像に難くない。

新型プリウスは、旧型と比べて性能も向上し、車庫入れや縦列駐車など難しい操縦を助けてくれる装置も加わり、初心者にはありがたいクルマとなった。ミニバンを引き伸ばしたようなモノフォルムのデザインもシンプルでそれなりに美しいが、お椀を伏せたようなスタイルはカメのようにも見える。スローな時代にはウサギよりカメの方があうかもしれないが、どこかで見たような「カタチ」からは、最先端のハイブリッドカーを作った意気込は感じにくい。

確かに、ハイブリッどはガソリンエンジンと比較しすべてにおいて優れているわけでもない。ディーゼルエンジンと同じように動力の一バリエーションととらえれば、そのカタチも特別である必要はないということになる。しかしファンクラブの人が楽しんでいるように、世界をあっと言わせるような新しい技術とそれに相応しいデザインを望んだとしても、欲張りすぎと簡単に片付けてしまうのはもったいない!!

1/3★ウサギとカメどちらが勝つか
2/3★尊敬されるカタチが高級?
3/3★期待の星、品位ある企業に変身

《松井孝晏》

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