パワートレーンレイアウトから解放された新しいカタチ『ファインN』は、『カローラ』の全長に『センチュリー』をしのぐ室内空間が合言葉。デザインのポイントは、単に広いだけでは満足しない「うれしさ」を表現したところにあった。
「全体的なイメージはデトロイトショーの『ファインS』と共通です。“S”はスポーツでしたが、今回の“N”はネクストジェネレーションを表しています」と説明する東京デザイン部の稲垣典世デザイナー。
「広さを超えたうれしさをデザインするために、4輪四隅を強調した“キャビンオンザホイール”の立体構成にしました。乗降性のジャマにならないところにタイヤがギリギリにはまる、という感じです。その構成がパッと見でわかるようにしました」
「2つ目はエンジンが無いことを生かし、フロントガラスをギリギリまで下げたところです。面は張りのある面を凹面でつなげず、“パワーサーフェス”で品質感を際立たせています。フロントマスクは情報とのインターフェースを意識しました」と続ける。
FCシステムの床下レイアウトがもはや「流行」のようになっている現在、他との差別化をはかるため、デザインへの期待はますます大きくなっている。