フォードの『クラウンビクトリア・ポリスクルーズ』に対し、「高速でのカーチェイスで燃料タンクに破損が生じ、炎上するおそれがある」として、現在36の自治体警察が集団訴訟を起こしている。これに対しフォードは、これら集団訴訟に加わっている自治体に対し、「今後フォードのパトロールカーは販売しない」と書面で宣告した。
フォードのスポークスマン、クリスティ・キンリー氏によると、「集団訴訟が求めているのは非現実的な安全対策であり、そのようなクルマを提供することは不可能」と販売拒否の理由を説明している。
しかし、たとえ集団訴訟を起こされていようと、クラウンビクトリアがアメリカのパトカー全体に占める割合は80%近くで、フォードが販売しなければパトカーそのものの不足が生じるおそれもある。
一方、アナリストからは「フォードがパトカー市場に興味を失ったのではないか」という声も聞かれ、今後のアメリカのパトカーに大きな変化が表れる前兆と見る向きもある。