気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2002年12月26日付
●日本自動車工業会発表、11月生産9.2%増、年間1000万台確実に(読売・8面)
●北洞幸雄・日産自動車常務執行役員に聞く「個人リースに力入れる」(毎日・8面)
●トヨタ「ヴィッツ」低燃費実現1リットル当たり25.5km走行可能(東京・8面)
●トヨタ、トーメンを傘下に、グループ出資100億円、3割超す(日経・1、11面)
●いすゞ、独オペルにディーゼルエンジンの供給拡大(日経・13面)
●フタバ産業、チェコで自動車部品生産(日経・13面)
ひとくちコメント
北朝鮮拉致問題、ノーベル賞、ワールドカップなどの重大ニュースが紙面を賑わせた2002年も間もなく終わる。この1年を振り返ってみると、産業界は、デフレ不況が加速し、不良債権処理の問題がクローズアップされ、脆弱な企業は破綻、株価も低迷状態で暗いニュースが目立っていた。そんななか、自動車業界に目を向けると比較的明るい話題も多かった。
その筆頭が日産の「V字回復」。日産ばかりではなく決算ではトヨタ、ホンダも過去最高益を更新。そのトヨタとホンダの競争も凄まじいものがあった。究極のエコカーの「燃料電池車」開発は同時販売だったが、年間販売ランキングでは、結局、ホンダ『フィット』が首位、34年ぶりにトヨタ『カローラ』が首位を降りる模様だ。
きょうの日経が1面トップで報じているように、トヨタグルーブによるトーメン救済、さらにUFJ、郵政公社など異業種への支援も見逃せない。また、トヨタでは、日本経団連の会長にも就任した奥田碩会長が、株価に影響を与えるほどの強腰の発言が際立ったのに対し、張富士夫社長は相変わらず控え目だ。