走行性能は『アテンザ』のもっとも大きなセールスポイントだ。その走りを支えるのが、高性能のサスペンションとブレーキである。アテンザのサスペンションは前:ダブルウィッシュボーン、後:E型マルチリンクの4輪独立懸架。
フロントのダグルウィッシュボーンは伝統的にストラット型を使用してきたマツダのFFモデルとしては挑戦的なレイアウトだ。ロッド長の長い本格的な構造のもので、ロール時のキャンパー角変化を抑えてフットワークの良さを確保しつつ、フリクションを削減することで乗り心地の良さも犠牲にしない。同じフォードグループの次期『モンデオ』、次期ボルボ『V60』などへの流用も視野に入れられており、世界の高性能モデルと比べても性能は一歩も引けを取らない。
リアのE型マルチリンクはマツダが得意としてきたもので、ストラットの変形バージョン。もともとFRモデルのために考え出されたもので、これもFFモデルに使用するのは初めてだ。
ブレーキは4輪ディスク。高性能ブレーキキャリパータイロッドタイプのブレーキサーボ、低膨張ブレーキホースなどの採用で、ブレーキフィールを徹底的に向上させている。また4W-ABS、EBD(電子制御性動力配分システム)が標準装備されるほか、オプションでDSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール:姿勢安定制御装置)とブレーキアシストをセットで装着することもできる。制動力は100km/hからのフルブレーキングで停止距離が37mというもの。これはBMW『3シリーズ』などのライバルを凌駕する成績だ。