【F1タイヤウォーズ中盤戦…Part 3】ブリヂストンも通ったミシュランの道

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ミシュランのタイヤはコンパウンドが柔らかく、程度タイヤの摩耗が進みトレッド面の高さが低くなるとトレッドの横剛性が上がり、ふたたびグリップが上昇、タイムも向上するようだ。実は3年前ブリヂストンも同じような問題を抱えていたことを思い出す。

彼らはタイヤの横剛性を稼ぐために、タイヤの大きさを大きくすることで、タイヤの接地面積を増やし、剛性を保つ戦略をとった。この作戦は今季のミシュランもすでに採用している。しかし、これはコンパウンド自体の剛性にたよった形ではないので、どうしても初期のタレが大きくなる問題が残っているのではないか?

2年前の開幕戦では、この問題に気づいていたマクラーレン(当時ブリヂストンにスイッチしたばかり)が、ボロボロになったセカンドタイヤをわざと履いて、予選アタックをしたほどだ。その後、ブリヂストンがより剛性の高いタイヤコパウンドを開発し、その問題は少なくなっていた。

しかし、この初期のタレとタイムの落ち込みは、タイヤの性格上、絶対に避けられない問題でもある。スリックではない、グルーブド(溝付き)タイヤでは、トレッド溝が深い間はタイヤの横剛性がどうしても低くなってしまう、それなのに熱は溜まりコンパウンドが柔らかくなり、グリップ力が落ち込むのだ。

そしてブリヂストンユーザーも初期タイムの落ち込みは経験済みだ。ただし、彼らはその対処を過去の経験で認識しているので、グリップ力を保つハードタイヤ用コンパウンド開発に力を入れていた。その結果が中高速コーナーでもグリップ力が腰砕けしないタイヤ剛性の強さに表れていた。

今回の勝利はタイヤの初期性能の落ち込みを抑えたハードタイヤを開発したブリヂストンの勝利であり、今後のミシュランの問題は、いかに初期性能の落ち込みを低く抑えるかにかかっているといっても過言ではない。

《編集部》

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