フォードのジャック・ナッサーCEOは6日、投資家向けの懇談会の席上で「私がフォードのCEOをクビになる可能性が高いという報道は誤報だ」と怒りを露にした。これは6月以降、全米の経済系マスコミが「ナッサーCEOがフォードを退任する日は近い」と報じたことが発端。
ファイアストンがアメリカ運輸省に対し、フォード『エクスプローラー』の構造について徹底調査を要求したことから、マスコミ各社が「国によって安全性への疑問が投げかけられた場合、ナッサーCEOの責任は重くなることは間違いなく、その場合には株主から経営陣の刷新を迫られることになるだろう」と報じ、自体の進展次第ではナッサーCEOが解任される可能性があることを示唆。
これに対してナッサーCEOは「私はウィリアム・フォード会長からも信頼されている」と語り、大株主であるフォード一族から信任を得ていることを強調した上で、マスコミ報道に対して反論を行った。
しかし、退任が目前に迫った経営者の多くがそういった強がるコメントを発表することから、マスコミ各社のナッサーCEOに対する目は依然として冷たい。これとは逆に絶縁状を突きつけたはずのファイアストン側に対しては同情するコメントが多数あり、戦略の明暗がくっきりとしている。