気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2001年5月8日付
●トヨタ、ハイブリッドシステムをフォードに供給、GMとも共同開発へ (東京・1面、関連記事9面)
●小泉首相、公用車を低公害車に3年で切り替えを指示(東京・1面)
●東京海上とオムロン「iモードで盗難車追跡」新システムを開発(東京・3面)
●“ゴーン流”攻勢じわり、日産新車販売3車種販売滑り出し好調(産経・6面)
●きょうの番組ガイド「プロジェクトX」(NHK、後9:15)、日本初のマイカー、てんとう虫(『スバル360』)町をゆく自動車革命(産経・14面)
●昨年の世界自動車販売台数、2.6%増の過去最高、トヨタ3位に(朝日・11面)
●日産、ミニバン「プレーリーリバティ」の改良車種発売(読売・11面)
●「ハイヤー無料」タクシーのエムケイ届け出、免許申請却下に対抗(読売・38面)
●ガソリンスタンド、セルフ式急増、解禁から3年ようやく普及(毎日・10面)
●曙ブレーキ、米国に新生産拠点(日経・11面)
●光洋精工と富士機工、電動パワステで提携拡大 (日経・11面)
ひとくちコメント
トヨタ自動車と米フォード・モーターが、ガソリンエンジンと電気モーターを併用して走る「ハイブリッドシステム」を2003年からトヨタ側がフォードに供給することで合意。きょうの東京新聞が一面トップで報じている。
同紙によると、トヨタ系列のアイシンAWが開発したハイブリットシステムをフォードが新たに開発するスポーツ用多目的車『エスケープHEV』向けに、年間1万〜2万台程度供給するという。トヨタとフォードの提携の噂は、昨年末に某ビジネス誌が “特ダネ”?レポートを掲載してから、日経や東京などが環境技術などを模索した後追いの観測記事を取り上げていたが、具体的な案件に合意したと報じたのは初めて。
トヨタはゼネラル・モーターズ(GM)ともハイブリッド車を共同開発する動きがあり、環境技術を通じて、ライバル関係にある米ビッグスリーの2社と提携することになる。北米市場は好調な日本車勢に対し、ビッグスリーの販売不振が際立っている。「環境技術で米に“貸し”」と東京の解説記事の見出しにもなっているが、日米自動車摩擦の再燃も懸念されており、今回のトヨタ側の対応は政治的な判断が見え隠れしているようにも見える。
そのトップ記事の横に小泉新首相の所信表明演説の写真を大きく掲載、公用車を低公害車に切り替えるため、小泉首相と奥田碩会長とのやり取りの記事がセットになっている紙面構成は単なる偶然とは思えない。