東京都が頭を痛める「A重油」ってなんだ?

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ディーゼル車の排出ガス問題に頭を痛める東京都は27日と28日の両日、埼玉、千葉、神奈川の各県や警察と連携し、主要幹線道や高速道路などの30カ所で大型トラックなどを対象にした不正軽油の抜き取り調査を初めて行うことになった。

これは本来は工業用ボイラーなどに使用される「A重油」という、軽油と重油を混合した燃料を不正に使用するトラックが多いことが発覚したため。A重油をディーゼルエンジンに使用した場合、不完全燃焼を起こしてしまうため、通常の何倍にもあたるPM(粒子状物質)が大気中に排出されることとなるが、A重油には軽油取引税が掛からないことから料金が大幅に安く、これを不正に使用する運送会社も多い。また、これを密売するブローカーの存在なども明らかになったことから、今回の大掛かりな調査の実現につながった。

A重油を不正使用することで、東京都だけでも約100億円の軽油取引税を失っているという試算が出されたことから本気になったのだが、現状では脱税以外にこれを取り締まる法は存在しない。

《石田真一》

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