フォルクスワーゲン(VW)グループは、フォード・グループ内のプレミア・オートモティブ・グループ(PAG。高級車ブランドグループ)に対抗する、ラグジャリーカー・ディビジョンの設立に動いている。そしてトップには、現在セアトの社長を務めるベルント・ピシェツリーダーが就任するという。
ピシェツリーダーの新しい任務は、VWグループの高級車ブランド、すなわちアウディ、ベントレー、ブガッティ、ランボルギーニをコントロールすること。セアトもVWグループであり、現在この社長職と、VWグループ全体の品質管理業務をピシェツリーダーは担当しているが、現職のいずれからも退くと思われる。
ピシェツリーダーはもとBMW社長だ。フォードPAG担当会長には、BMW内でピシェツリーダーとはライバル関係にあり、ナンバー2の開発担当取締役だったウォルフガング・ライツレが就任している。2人ともローバーの経営難を理由に売却騒ぎより早くにBMWをやめているが、ローバーの経営方針については対立を続けていた。
ちなみにライツレが監督するフォードPAGブランドは、アストンマーチン、ジャガー、リンカーン、ランドローバー、ボルボである。