『MPV』のハンドルを握るたびに「販売力で劣る『エスティマ』は仕方ないとしても、どうして『オデッセイ』にまで販売台数で引き離されてしまうのだろう」と思う。決定的な弱点などない。
やっぱり軽はノッポ&ボックスが一番の売れセン。ホンダも『ライフ』や『ザッツ』に加え、『ゼスト』で戦線強化だ。
もともと若いママたちを狙っていたのに、今までの『MRワゴン』はちょっと不評だったとか。ボディの上を絞りすぎ、「頭の近くに圧迫感がある」のがその原因。そこで今度はもっとゆったり寸法を取り、デザインも柔らかい雰囲気にしたら大ブレイク。
ある意味、根本的な発想の転換を提案するクルマが新型『bB』。停まった状態で使うのがメインともいえるからだ。
現在のミニバンブームの火付け役になったのが『エスティマ』。今度の3代目はさらに完成度が高まり、姿こそミニバンでも、実質的には高級セダンとして通用する水準に達した。
とりあえず可もなく不可もなし、といってもマイナスイメージではない。このクラスのこういうセダンは、まず何より手堅さと真面目さが一番。ごく普通の、たぶん少し年配のユーザーにとって、とても安心できるクルマだ。
すっきり感が好印象の第一ポイント。逞しいSUV なのに『パジェロ』ほど装飾過剰でなく、機能的なデザインに成功している。
スポーツカーだけでなく『アテンザ』や『アクセラ』など、セダンも軽快俊敏な味付けが光る最近のマツダ。
最大の魅力は可愛いボディ。街なかでもすごく目立つ。顔もお尻もユーモラスだが、やはりサイドビューが一番キュート。前後ぎりぎりまでホイールベースを延ばした(軽で最長どころかリッターカー級より長い2550mm)ので、見た目の安定感も抜群だ。
ホンダは軽自動車を単純に軽自動車の枠内で考えるのではなく、普通のクルマとして作っている。そんな風に思わせるところがある。もちろんボディサイズや排気量は規格内に収めているが、それ以外の部分では意欲的なクルマ作りが目立つ。