トヨタ・モビリティ基金(TMF)は2月25日、コロンビア・メデジン市のイノベーション推進機関Ruta Nと協働し、移動に課題を抱える市民が自立的かつ安全に移動できる都市の実現に向けた取り組み「Medellín Mobility for All」を開始した。
チリ、ブラジル、米国、ギリシャ、スペイン、コロンビアの6か国から20件の応募があり、実証実験に参加する大学・企業など5団体を選定した。
メデジン市では、市内道路の55%以上が急坂で構成されており、特にマンリケおよびアランフェス地区は身体的な障害を抱える居住者が多く、日常的な移動に課題が生じている。
本プログラムでは、メデジン市における移動課題を3つの領域に整理し、課題解決につながる実証ソリューションを募集した。具体的には、歩行者や移動補助具利用者の安全性向上による「インクルーシブな移動」の実現、公共交通へのバリアフリーなアクセス改善、バスへの乗降・利用を迅速かつ安全・確実に行える環境整備、だ。
選定された企業・団体はいずれも、現地の移動に課題を抱える市民と協働しながら、2027年3月までの期間、持続的な社会実装を見据えた取り組みを推進する。助成総額10億コロンビアペソ(約4000万円)で、そのうち5億コロンビアペソが実証フェーズに充てられる。
選定された5団体の提案内容は、Brazo Amigo SAS(手動車椅子の電動アシストメーカー)が、手動車椅子に装着できる電動推進デバイスを開発し、坂道や難地形の多い都市環境における移動負荷の軽減を図る。
Solyon Technologies(AI技術を中核とするテクノロジー企業)は、AIを活用した会話型デジタルアシスタントによる障害のある方にも利用しやすい移動中の経路案内を提供する。リアルタイムの交通情報を活用し、移動中に生じる不安や課題に対してAIが対話を通じてサポートすることで利用者が最適な移動判断を行えるよう支援する。
Universidad EAFIT(大学)は、公的データと障害のある方が使いやすいように設計された経路案内アプリを活用し、危険箇所などの把握を容易にすることで利用者にとって安心・安全な移動計画を支援する。
El Comité Fundación(NPO非営利活動法人)は、バス停および乗降環境の物理的改善を実施する。スロープの整備や乗降口の改善を通じて、車椅子使用者を含む多様な利用者が安心して公共交通を利用できる環境づくりを進める。
Fundación Más Urbano(都市環境改善・都市デザインの社会団体/非営利組織)は、低コストかつ短期間で実施できる実証的な都市改善(タクティカル・アーバニズム)を展開する。都市の段差解消や案内サインの整備など、市民のフィードバックを取り入れながら改善を継続的に実施する。



