日本自動車連盟(JAF)大阪支部は、年末年始の帰省時に、子どもを乗せる際には必ずチャイルドシートを正しく使用するよう呼びかけている。
●家族全体で意識
JAF大阪支部によると、帰省先で普段と異なるクルマに乗車する場合でも、移動距離の長短にかかわらず、チャイルドシートは必要だ。子どもや孫の命を守るため、家族全体での意識が重要になる。
道路交通法では6歳未満の子どもにチャイルドシートの使用が義務付けられている。いっぽう6歳以上であっても、体格によってはシートベルトが充分な効果を発揮できない場合がある。JAFは、身長150cm未満の子どもについて、チャイルドシートやジュニアシートの使用を推奨している。
●シートベルトが首や腹部にかからないように
ジュニアシートには背もたれ付きタイプとブースタータイプがあり、確認のポイントは、シートベルトが首や腹部にかからないことだとしている。車種やクルマの構造によっては背もたれ付きタイプが装着できない場合もあり、その際はブースタータイプの使用を勧めている。
JAFは以前、学童用チャイルドシートの体格目安を140cm未満としていたが、交通安全を推進する団体や企業との協議を経て、基準を150cm未満に統一した。体格の目安にばらつきがあったことを踏まえ、分かりやすさを重視した判断としている。
なお「150cm未満の大人」については、大人は子どもと比べて体格や骨格がしっかりしており、自身でシートベルトや座席の高さ、シート角度などを調整することができる。子どもはそういった知識も少なく、大人と比べて交通安全の意識は低いため、大人が子どもを守るために、体格にあったチャイルドシートを選択する必要がある。
●3割が誤用
2024年にJAFと警察庁が合同で実施した「チャイルドシート使用状況全国調査」では、子どもの年齢が上がるにつれて、チャイルドシートの使用率が大幅に低下する傾向が確認された。
チャイルドシートの取付け状況調査では、乳児用と幼児用を合わせて正しく取り付けられていた割合は69.8%にとどまり、30.2%はミスユースだった。最も多かったのは腰ベルトの締め付け不足で、JAFは膝などで体重をかけて座面に沈み込ませ、シートベルトで確実に固定する方法を紹介している。
●レンタルや着用相談も
マイカーを持たない人や普段クルマに乗らない人が同乗する場合でも、事前にチャイルドシートを準備することが必要だとしている。購入が難しい場合は、レンタルサービスの活用も選択肢の一つになる。
JAFは、取り付けや着用方法に不安がある場合、チャイルドシート認定指導員の資格を持つ担当者によるアドバイスを受けられるとして、相談するよう呼びかけている。



