ブロッサムエナジーは、10月30日から11月9日まで東京ビッグサイトで開催されるジャパンモビリティショー2025のメインプログラム「トーキョーフューチャーツアー2035」に出展すると発表した。
同社は、モビリティの進化に不可欠なエネルギー変革の課題に取り組んでいる。電気自動車の普及が進む一方で、その製造プロセスや関連施設で使用される熱エネルギーの脱炭素化は依然として大きな課題となっている。
製造業の多くのプロセスでは200度以上の高温蒸気が必要とされている。世界は再生可能エネルギーへの移行を急いでいるが、24時間365日の安定した熱供給を必要とする現場において、太陽光や風力だけではこの要求を満たすことができない。
同社は、この「熱の脱炭素化」という課題に対し、黒鉛を蓄熱材とした革新的な熱エネルギー貯蔵技術を開発。再生可能エネルギーを熱として効率的に貯蔵・活用することで、真の持続可能なモビリティ社会の実現に貢献できると確信している。
イベントには、2025年度グッドデザイン賞を受賞した蓄熱式ボイラ「ブロッサムエナジーG-TES」のコンセプトモデルを展示する。
この技術は、再エネの弱点「不安定さ」を解決する。太陽光や風力発電は天候や時間帯によって発電量が大きく変動する。同社の技術は、余剰電力を「熱」として蓄え、必要なタイミングで安定供給することで、この変動性の課題を解決する。
製造業が求める高温域を実現したのも特徴。黒鉛は約1500度まで加熱でき、約1000度の高温ガスや約500度の蒸気を供給できる。これは、化学プラント、食品加工、金属加工など、多くの製造プロセスで必要とされる温度帯だ。
また、黒鉛蓄熱材は、循環ガス中の不純物を適切に管理することで、約40年間の長期使用が可能。設備投資を長期間で回収でき、ライフサイクル全体で見た経済性に優れている。
黒鉛は、大気中のCO2から合成したり、使用済みリチウムイオン電池から回収・再利用したりできる。限りある資源を循環させることで、持続可能なエネルギーシステムの構築に貢献する。
同社は「世界中のスチームをグリーン化し、温室効果ガス排出の10%を削減する」ことをミッションに、熱需要に用いられる1次燃料の削減を目指すDeepTechスタートアップ企業だ。





