KTMは10月14日、2026年モデルのスーパースポーツ『990 RC R』を発表した。オーストリアのマティゴーフェン工場で生産される。
KTMのスーパースポーツ指向のバイクラインアップの中核となるこのモデルは、ストリートユースにも配慮した人間工学と、レース技術による高いパフォーマンスを兼ね備えている。
エンジンはEURO5+対応のLC8c 57kgユニットで、最高出力130PS、トルク103Nmを発生し、街中の加速やサーキット走行に対応する。シャシーは目的別に設計されたスチール製で、ダイカストアルミのサブフレームを組み合わせており、安定感と敏捷性を両立。WP APEXサスペンションや320mmのブレンボ製ブレーキなどレース由来の部品で走行性能を高めている。

装備面では8.8インチTFTディスプレイを搭載し、RAIN、STREET、SPORT、CUSTOMの標準ライドモードのほか、オプションでTRACKモードや追加のCUSTOMモードも選択可能だ。ABSはSTREET、SPORT、SUPERMOTO+、SUPERMOTOの4モードを備え、安全性も重視している。
乗車姿勢はレーシング仕様でありながら長時間の使用を考慮し、6点で体を支えるエルゴノミクスを導入、可変式のフットレストは身長差にも対応する。また、16リットルの大型燃料タンクを装備し実用性も確保した。
2026年2月にはさらにレース専用の『990 RC R TRACK』モデルが発売予定だ。こちらは不必要なパーツを省き、専用の電子制御やブレーキライン、ギアボックスを搭載し、即レース投入可能な仕様となる。

加えて、2026年春には欧州で「KTM 990 RC R CUP」を開催する。レース経験の浅いライダーがプロ選手の指導を受けながらレースを楽しめるエントリーレースとして企画され、ストリートバージョンとトラックモデルの両方で参加が可能だ。
KTMグローバルマーケティングマネージャーのリアン・ネベリング氏は、「速さを求めるライダーに向けた待望のモデルであり、MotoGPマシンRED BULL KTM FACTORY RACINGの技術的蓄積が反映されている」と語っている。