ポルシェとオーストリアの船舶メーカー、フラウシャーが共同開発した電動スポーツボート「フラウシャー×ポルシェ850ファントム」が、第12回モナコエナジーボートチャレンジで新記録を樹立したと発表した。
同ボートは平均速度49.84ノット(92.3km/h)を記録し、スピード競技でライバルを圧倒するとともに、イベント史上最速記録を更新した。
モナコエナジーボートチャレンジは、持続可能な海洋モビリティ分野における主要なイノベーションとして知られている。このイベントは2006年にアルベール2世公によって設立された環境研究財団などが支援しており、排出ガスゼロの駆動技術の促進と実条件下でのテストを目的としている。

スピードカテゴリーでは、1km走行を2回行い平均速度を測定する。今回出場したフラウシャー×ポルシェ850ファントムは完全な標準生産モデルで、ポルシェカラーのオークグリーンメタリックネオで塗装され、クローズドフォアデッキを装備していた。
フラウシャー造船所のシュテファン・フラウシャー社長は「モナコエナジーボートチャレンジでフラウシャー×ポルシェの全ポテンシャルを示すことができ、非常に誇らしく思う」とコメント。「この成功はボートの技術革新を裏付けるだけでなく、海洋分野における電動推進ソリューション開発の重要なマイルストーン」と述べた。
ポルシェの『マカン』プロダクトライン担当副社長のヨルグ・ケルナー氏は「ポルシェEパフォーマンスが道路上だけでなく水上でもトップパフォーマンスを可能にすることが証明された」と語っている。

この電動ボートは全長8.67m、全幅2.49mで、完全電動のポルシェ マカン ターボの駆動システムを船舶用に大幅に改良して搭載している。フラウシャー858ファントムの象徴的な船体形状と組み合わせることで、卓越した性能と最先端技術、スタイリッシュな美学を備えた電動デイクルーザーが誕生した。
駆動性能は800V技術により最大400kWの出力を発揮し、スポーツプラスモードでの最高速度は約時速90km。低速時の航続距離は約100km、巡航速度(41km/h)では約45kmとなっている。DC充電は最大270kW、AC充電は最大11kWに対応する。