『サイバートラック』の突出した点は、ステンレスボディや防弾性能、斬新なエクステリアデザインではない。表面的な特徴は確かにわかりやすいが、業界人であれば、投入されている技術や設計思想についても注意を払うべきだろう。

サイバートラックにはこれまでのテスラ車にない技術も投入されている。そのひとつが電装品に投入された48V技術だ。電圧が上がっただけで地味な変革に思えるかもしれない。この技術のすごさは、やはり分解(リバースエンジニアリング)してみないとわからない。
分解といえば、名古屋大学 未来材料・システム研究所 教授の山本真義氏を忘れてはならない。6月のレスポンスセミナー「サイバートラックの分解から見えるテスラの現在位置とそこから日本自動車業界が執るべき電動車(xEV)戦略」では、ゲスト講師に山本先生を迎える。モデレータは鈴木万治氏。サイバートラック分解で見えてきた電動車の技術動向について議論する予定だ。
サイバートラックに投入された技術の数々
---:さっそくですが、今回のセミナーではどんなことを話されるのでしょうか。
山本真義氏(以下敬称略):私は主にインバーターやオンボードチャージャーなど電力、電装品まわりの分解に携わったので、その話がメインになると思います。サイバートラックでも、他の電動車との違い、さらには同じテスラでも『モデル3』などとの違いで多くの発見がありました。

テスラ車とよく比較される中国車ですが、たとえばシャオミの『SU 7』と比較してもサイバートラックの設計の考え方の違いを感じました。シャオミのSU 7は、インバーターや高圧系の電子回路は比較的オーソドックスな設計を取り入れています。サイバートラックのような回路設計そのものの新機軸はあまりありません。

その一方で、VW『ID.3』の流れを汲むような回路も見られました。分解してみると、興味深い点が多かったといえます。
---:具体的にはどんな点が注目だったのでしょうか。
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