仕出かしてしまった不祥事に対する検証や説明責任も極めて重要なことだが、第三者委員会が報告書を公表すれば、収入源のCMの再開について、トヨタ自動車などのスポンサー企業がすんなりと受け入れるかどうかである。
元タレント中居正広氏の女性トラブルをめぐるフジテレビの問題を調査した第三者委員会が報告書を公表した。
当時フジのアナウンサーだった被害女性のトラブルについて「“業務の延長線上”における性暴力が行われ、重大な人権侵害が発生した」と認定。しかも、中居氏からの依頼で当時のフジ編成部長が、入院中の被害女性に見舞金100万円を届けていたことも判明したという。
きょうの朝日が1面トップに「性暴力業務の延長線上」との見出しで報じたほか、各紙も1面や総合面、さらに、読売と産経、東京は社説のテーマでも取り上げている。そんな中で日経は「第三者委員会の報告書が出たことを受けて、フジ・メディア・ホールデングス(HD)は信頼回復をどう進めるかが焦点となる」と指摘。ただ、「一連の問題を通じて広告差し止めが相次いだが、CMを検討する企業は日本経済新聞の調べでは主要企業の1割にとどまる」として「業績回復は簡単ではない」と判断している。
それによると、日経は2月末~3月19日に実施した「社長100人アンケート」で、フジテレビへのCM契約を検討しているか聞いたところ、116社から得た回答のうち、「検討している」は13社(11.2%)にとどまったそうだ。「既に契約している」は4社(3.4%)、検討していないと答えた企業は99社(85.4%)だったという。
さらに、検討している企業に契約のために必要なこと(複数回答)を聞いたところ、「再発防止策の実施」が84.6%と最も多く、調査結果の迅速な開示(76.9%)や経営体制の刷新(38.5%)が続いたとしている。
広告再開関連の記事については、朝日も経済面に「フジCM再開なお見通せず」として「スポンサー企業からは厳しい声も上がっており、再開までには時間がかかりそうだ」。フジサンケイグループの産経も「広告再開に企業慎重、フジ経営への影響長期化」としながら、「CMは自社イメージのプラス効果を期待して流すもので、逆効果になるリスクは避けないといけない」(大手自動車メーカー)などと、世論を見定めたいとの声もあったとも伝えている。
2025年4月1日付
●参院修正新年度予算成立、現憲法下で初、過去最大115兆円 (読売・1面)
●日産、ルノー提携見直し、経営再建、相互出資10%に下げ(読売・7面)
●性暴力業務の延長線上、中居氏問題フジ第三者委認定 (朝日・1面)
●フジCM再開なお見通せず、第三者委報告書、スポンサー「すぐ判断できぬ」 (朝日・7面)
●米国の販売価格維持、トヨタ、関税交渉を注視 (毎日・2面)
●南海トラフ想定、トヨタは調達先多重化 (毎日・6面)
●「関税不況」リスク、市場覆う、日経平均急落1500円安(日経・1面)
●マレリ返済猶予4回目、銀行団、再建策まとまらず (日経・9面)
●ホンダ、ベトナムで電動バイク、17万円以下、若者に的(日経・11面)
●ボルボ前CEO復帰、トランプ関税対応「指導力が必要」 (日経・16面)
●日野自、NZでは賠償訴訟、排ガス性能の不正巡り、米での和解後、新たなリスク (日経・17面)