悪路でも驚異の乗り心地! レグノGR-X III TYPE RVを試乗してわかった本当の実力

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ブリヂストンは2024年12月にレグノのミニバンやコンパクトSUV向けモデル「レグノGR-X III TYPE RV」を発売。2025年1月に試乗の機会を得た。

「レグノGR-X III TYPE RV」は、「レグノGR-X III」同様にブリヂストンの新技術「エンライトン」を使って開発されたタイヤ。「レグノGR-X III」の特性を踏襲しつつ、ミニバン・コンパクトSUVに求められる性能をさらに進化。とくに車両の重心が高く、走行中にふらつきやすいミニバンやコンパクトSUVで安定感のある走行性能が得られるほか、後部座席の快適な乗り心地も実現。さらにハンドリング性能も向上し、重量車両への対応力も強化している。

◆ファインチューニングを行って重心の高いクルマにマッチさせる

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「レグノGR-X III TYPE RV」は、「レグノGR-X III」と骨組みや補強材、ゴムなどについては同一。少し説明しておくと、「レグノGR-X III」ではタイヤ全体の剛性の要となるプライ張力(内部構造の強さに近いもの)を最適化することで、乗り心地に影響するしなやかさとともにハンドリングの正確さを左右する接地状態を理想の状態としている。

トップゴム(トレッドコンパウンド=タイヤ接地面のゴム)はGR-Tech silentゴムと呼ばれるものを採用。ゴムは柔らかくすれば静粛性が上がり、グリップも向上するが、摩耗性能は低下する。ゴムを柔らかくして静粛性やグリップを稼ぐのではなく、トレッドのデザインで静粛性やグリップを向上するという方向が選ばれた。

ここまでは「レグノGR-X III」で使われた技術で、「レグノGR-X III TYPE RV」にも継承されている。ミニバンやコンパクトSUVをターゲットとして開発された「レグノGR-X III TYPE RV」はさらに別の技術が投入されている。重心の高いミニバンやコンパクトSUVでは横揺れの防止が重要で、これを実現するためにトレッドショルダー部分の面積を広く取り、剛性を確保している。このようにショルダー部分の剛性を上げると乗り心地が悪化し静音性が落ちるが、ダイヤモンドスロットと呼ばれる菱形のスロット(穴)を配置することで横剛性を確保しながら、縦方向のしなやかさを実現し、乗り心地と静粛性を確保しているという。

今回のレグノシリーズの開発にはレーシングドライバーの立川祐路氏が協力。実際にテストを行っている。今回の試乗会にも立川氏が訪れ、開発時のエピソードなどを披露した。そうしたなかで面白かったのは、「スポーツ系ではないタイヤの開発に携わるのは珍しいことであったが、どんなタイヤであってもドライバーがスムーズに走らせられるのがいいタイヤであるのは変わりない。何度かテストしているうちに自分が欲しくなる、この組み合わせで持って帰りたいと思うようなものができました。後席に乗る機会もあったが、フラットな乗り心地に満足。自分はじつはクルマ酔いしやすい体質なのだけど、そうしたことも起きずについつい寝てしまいそうになった」と語った。

◆シチュエーションを選ばすREGNOらしさを体感出来る

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さて、試乗である。まずは駐車場内に設けられた特設コースで、「レグノGRV II(従来品)」と「レグノGR-X III TYPE RV(新型)」の比較試乗した。コースには20km/hレーンチェンジ、40km/hスラローム、60km/hレーンチェンジ、段差大きめの突起物乗り越え、ロープを使っての波状路乗り越えが用意された。

比較試乗のテスト車は先代アルファードとクラウンクロスオーバー。先代アルファードでは自ら運転するフィールチェックに加え、ブリヂストン開発ドライバーの運転によるチェックもプラスされた。この比較試乗でとくに感じたのは、スラロームでもレーンチェンジでも段差乗り越えでも、入力後の収まりがいいこと。ステアリングを切る動作では直進状態にしたときに、段差乗り越えでは乗り越えてフラットな路面になったとき、スッと普通の走行状態に戻り、あとに引きづらないのに感心させられた。

続いてはメルセデス・ベンツEQBを使って一般道で試乗した。一般道試乗のメインステージは悪名高き西湘バイパスである。なぜ、悪名高いのかといえば、路面はザラザラに荒れていて路面のジョイント段差が大きいので、乗り心地やノイズについてはどうしても評価が厳しくなりがちだからである。そんな路面でのフィールチェックをしてきたブリヂストンのお手並み拝見だ。

規制速度である70km/hで流していると、路面が変更されたのかと思うほどの静けさ。試乗車がメルセデス・ベンツEQBなので静粛性の高さは平均以上だが、それでもビックリするほどの静粛性の高さだ。EVはクルマが発するノイズが少ないので、タイヤノイズなどは目立つものだが、じつに快適で静かである。気になっていた路面のジョイントを越えた際のショックもよく抑えられている。

料金所の手前でアクセルペダルを戻し、回生ブレーキを効かせて減速したときもノイジーな印象はない。また、料金所からの加速で少し強めの加速をしても同様だ。トレッド面が柔らかなタイヤはこうした加減速の際にノイズを発することがあるが、そうした現象も起きていない。ACCをオンにしてレーンキープさせてみた際も、過度な修正舵や修正舵不足が起きることもなく、じつに上手にクルマを車線内にとどまらせる。急ハンドルめな操作でレーンチェンジをしても安定感を損なうことはなかった。ハンドリング、静粛性、乗り心地どれをとっても合格点以上の性能を発揮してくれた。

EQB試乗後に現行アルファードで225/55R19と225/65R17の扁平率違いをテストしたが、19インチでもほとんど17インチと変わらない静粛性と乗り心地を確保していた。ドレスアップのためのインチアップで乗り心地悪化を懸念している方も「レグノGR-X III TYPE RV」は大いに貢献しそう。

「レグノGR-X III TYPE RV」はプレミアムコンフォートタイヤに求められる性能をしっかりと確保しつつ、ミニバンやコンパクトSUVといった重心の高いクルマにもマッチするタイヤに仕上げられていた。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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