ホンダは27日、ポケモンと協力し、ゲーム「ポケットモンスター スカーレット」に登場する「コライドン」を実物大のモビリティとして製作する「ホンダコライドンプロジェクト」を始動させたと発表した。
2024年3月にはトヨタの有志が、ホンダコライドンの対となる『ポケットモンスター バイオレット』に登場する伝説のポケモン「ミライドン」を制作していた。小型モビリティ「C+walk」のバッテリーを採用し、4つ足で歩くことも可能としていた。今回のホンダコライドンは子どもたちの未来のため、トヨタミライドンの取り組みに呼応したものと考えて良いだろう。
ホンダコライドンは、「大人の本気が子供の夢になる」をスローガンに掲げ、ホンダの技術力とポケモン社のクリエイティビティを融合させた新しいモビリティの形を追求するものだとしている。

プロジェクトでは、ホンダの二輪・パワープロダクツ事業および先進技術研究所から集まった約40名の有志メンバーが参加。彼らは、ホンダが培ってきた設計思想やシミュレーション技術、さらには先進バランス制御技術を駆使して、ゲーム内のコライドンを可能な限り忠実に再現することを目指した。
製作された「ホンダコライドン」は、重さや大きさともにほぼ実物大で、細部にまでこだわった形状再現を実現している。今後は、ホンダ独自のバランス制御技術を応用し、4足歩行や二輪での自立を可能にする開発を進めていく予定だ。この技術は、2017年のCESで世界初公開された「Honda Riding Assist」をベースにしており、ASIMOの研究で培われたバランス制御技術を活用している。

ホンダは、この「ホンダコライドン」を通じて、ゲームの世界と現実世界をつなぐ新たなモビリティの可能性を探求している。将来的には、乗車可能な状態や、スピードに合わせた手足や顔の動きの表現、さらには細かい表情の再現なども計画されている。
この革新的なプロジェクトの成果は、3月7日から9日までの期間、Hondaウエルカムプラザ青山で一般公開される。ゲームファンや技術愛好家にとって、仮想世界のキャラクターが現実世界に飛び出してくるような体験ができる貴重な機会となる。