食べたことある?---日本の食堂車:明治・大正・昭和

『食堂車の明治・大正・昭和 <新装版>』
  • 『食堂車の明治・大正・昭和 <新装版>』
  • 『食堂車の明治・大正・昭和 <新装版>』

長距離列車に連結されていた食堂車。移り行く景色を見ながら食事を楽しむ。文化やデザインの先端だったこともある……。

食堂車の明治・大正・昭和<新装版>』がグランプリ出版から刊行された。本書は、元日本国有鉄道に勤務し、27年間にわたって列車食堂営業に携わった著者、かわぐちつとむ氏が、自身の体験と収集した資料や文献をもとに記述した、貴重な列車食堂営業史だ。

1899年に日本で初めて登場した食堂車は、太平洋戦争前後の時期を除いて、一世紀以上にわたり、のべ100万人に達する就労者によって支えられてきた。これにより、長距離移動をより快適にするサービスが旅行者へ提供されてきた。本書では、日本の食堂車の営業について、運営形態やメニューの種類などを紹介しながら、その成長と一定の役割を終えるまでの変遷を、多数の図版とともに解説する。

列車食堂営業については、その全貌を詳述した記録はこれまで存在しなかった。世界的にもたぐいまれなサービス機能を発揮し、誇るべき日本の列車食堂営業の「歴史は固く閉ざされたまま」(著者)であった。

『食堂車の明治・大正・昭和 <新装版>』『食堂車の明治・大正・昭和 <新装版>』

かわぐち氏は、1963年から1989年までの27年間にわたる列車食堂営業にかかわり、その体験とその間に集めた資料をベースに、列車食堂営業史の記述に至った。本書は、2002年12月9日に初版が発行された『食堂車の明治・大正・昭和』の内容を再確認し、カバーデザインを一新して刊行する新装版だ。


『食堂車の明治・大正・昭和 <新装版>』
著者:元日本国有鉄道 かわぐち つとむ
発行:グランプリ出版
体裁:A5判・並製・244ページ
定価:3080円(本体価格2800円+税10%)
発売:2024年7月30日

目次
1. 明治時代
1-1. 事始めは山陽鉄道(山陽本線)
1-2. 官設鉄道の列車食堂の始まり
1-3. 明治の民営鉄道における列車食堂
1-4. 国有化鉄道の列車食堂
2. 大正時代
2-1. 鉄道省運輸局のころ
2-2. 大正時代の食堂車両
2-3. 食堂営業に関する様々な制約と命令
2-4. 食堂経営の収支と価格の設定
2-5. 進む和食化と大衆化
2-6. 世相を反映する食堂車の様子
3. 昭和時代初期
3-1. 不況の中での営業活動
3-2. 昭和初期における営業活動
3-3. 「日本食堂」の誕生と戦時体制への突入
4. 昭和時代中期
4-1. 戦後の窮乏の中での営業再開
4-2. 列車食堂営業の複数営業の時代の始まり
4-3. 電化・電車化のさきがけのころ
4-4. 食堂車からビュフェ車へ
5. 昭和時代後期
5-1. 東海道新幹線開業直後の営業
5-2. 日本万国博のころの営業活動
5-3. 新幹線博多開業以降の列車食堂営業の衰退
5-4. 1980年代・東北地方を中心にした営業活動
5-5. 新幹線における新しい試み
5-6. 消えゆく食堂車

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

教えて!はじめてEV

特集