エンジンが担う、カーボンニュートラル実現のための役割とは…マツダ 廣瀬一郎CTO[インタビュー]

マツダ株式会社 取締役専務執行役員兼CTOの廣瀬一郎氏
  • マツダ株式会社 取締役専務執行役員兼CTOの廣瀬一郎氏
  • 【池田直渡の着眼大局セミナー】第5回マツダ カーボンニュートラルの実現に向けたエンジンの役割
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  • 【池田直渡の着眼大局セミナー】第5回マツダ カーボンニュートラルの実現に向けたエンジンの役割

来たる7月31日、オンラインセミナー「【池田直渡の着眼大局セミナー】第5回マツダ カーボンニュートラルの実現に向けたエンジンの役割」が開催される。

セミナーに登壇するのは、マツダ株式会社 取締役専務執行役員兼CTOの廣瀬一郎氏。マツダにおいてエンジン・パワートレインの開発・統括に長く携わり、2023年6月より最高技術責任者(CTO)に着任。同社の技術開発をリードするキーマンである。

セミナーのモデレーターを務めるのは、自動車ジャーナリスト・自動車経済評論家の池田直渡氏。クルマのメカニズムと開発思想、企業戦略に対する鋭い洞察力を持ち、幅広いメディアで健筆をふるっている。

セミナー当日は、廣瀬氏からのプレゼンテーションに加え、池田氏の視点を交えた議論の深堀りや、視聴者からのQ&Aセッションの時間も用意されている。

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セミナーは以下のテーマに沿って進められる予定だ。

1.マルチソリューション戦略とは
2.カーボンニュートラル燃料の普及に向けた取組み
3.電動化時代のエンジンの役割(CNへの貢献/お客様価値)
4.志を同じくする仲間と共に
5.対談・質疑応答

セミナーの開催に先立ち、見どころを廣瀬氏に聞いた。


14年前からマルチソリューションを推進

5月28日に開催されたマツダ、トヨタ、スバルの3社による「マルチパスウェイワークショップ」。ここで強調されたのは、カーボンニュートラルの実現に内燃機関がどう貢献できるか、という点だ。

マツダ取締役専務執行役員兼CTOの廣瀬一郎氏によれば、同社は以前から、カーボンニュートラルに向けた戦略として“マルチソリューション”を進めてきた。各地域における自動車のパワーソースの適性や、エネルギー事情、電力の発電構成などを踏まえた適材適所の対応を可能とする柔軟で多様なソリューションを用意するものだ。

このマルチソリューションこそが、マツダにとってのマルチパスウェイであると廣瀬氏は説明する。

「以前からよく『マツダに全方位戦略ができるんですか?』と言われてきましたが、このことはもう14年も前から宣言して、これまでずっとやってきました。小さい会社だからこそ、早い段階で方向を決めて、縦置きのラージ群、横置きのスモール群、電動化のプラットフォームを作ってきたんです。そして今、様々なレベルの電動化に対応する態勢が整ったところです」

マルチソリューション戦略に説得力を加えるのが、ここ1年で急速に現実味を増したカーボンニュートラル燃料だ。日本にいるとあまりリアリティがないが、欧州でもアメリカでも、その他の世界各地でもすでに市場で流通しており、一般の顧客が利用する段階に来ている。

「カーボンニュートラル燃料に対応するためのマルチフューエル対応も以前から進めてきました。内燃機関とカーボンニュートラル燃料で、フェーズを一段階変えるタイミングに来ていると考えています。マルチソリューションとマルチフューエルが、今まさに結実しようとしています」

生き残りのカギは「システム全体での多様な対応」

マツダは2010年に新たなコンセプトのディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」を発表。世界一の低圧縮比でエミッションを抑制し、また低ノイズを実現するというコンセプトは世界を驚かせた。


《池田直渡》

池田直渡

自動車ジャーナリスト / 自動車経済評論家。1965年神奈川県生まれ。1988年ネコ・パブリッシング入社。2006年に退社後ビジネスニュースサイト編集長に就任。2008年に退社。以後、編集プロダクション、グラニテを設立し、クルマのメカニズムと開発思想や社会情勢の結びつきに着目して執筆活動を行う。近年では、自動車メーカー各社の決算分析記事や、カーボンニュートラル対応、電動化戦略など、企業戦略軸と商品軸を重ねて分析する記事が多い。YouTubeチャンネル「全部クルマのハナシ」を運営。コメント欄やSNSなどで見かけた気に入った質問には、noteで回答も行っている。著書に『スピリット・オブ・ザ・ロードスタ ー』(プレジデント社刊)、『EV(電気自動車)推進の罠「脱炭素」政策の嘘』(ワニブックス刊)がある。

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