SDVに向けて照明テクノロジーは刷新されるか? ams OSRAMが拡げる車載照明の可能性…人とくるまのテクノロジー展2024

ams OSRAMブース(人とくるまのテクノロジー展2024 YOKOAHAMA)
  • ams OSRAMブース(人とくるまのテクノロジー展2024 YOKOAHAMA)
  • ams OSRAM「EVIYOS」
  • ams OSRAM「EVIYOS」
  • ams OSRAM「ALIYOS」
  • ams OSRAM「OSIRE E3731i」
  • OSP:Open System Protocol

元々はオーストリアでアナログIC集積回路を扱うams社と、LEDや車載用の灯火類をドイツで手がけてきたOSRAM Licht社が2020年にフュージョンされ成立した、ams OSRAM(エーエムエスオスラム)。ここ数年、人とくるまのテクノロジー展に出展し、よりインテリジェント化された革新的なライティング・ソリューションを提供している。

人とくるまのテクノロジー展2024のブースでは、昨年の時点ではクローズドの枠組みでのみ公開していたという「EVIYOS」を展示。インテリジェント・フォワード・ライティングを謳うそれは、320×80ピクセルのLEDを2つ並べ、光学レンズを通じて2万5600ピクセルという広角ワイドの照射範囲を実現し、走行状況に応じて多彩な路面描画や照らし方が可能という。従来、メーターパネル内もしくはヘッドアップディスプレイに表示されていた警告またはナビゲーションなどドライブ情報を、路面に照らせる。ヘッドランプというよりはプロジェクターとしての機能を実現できるのだ。

光量も強いため、車両の進行方向に光をカーペット状に照らし出せ、素子数も多いため対向車への照射を遮るグレアスイングも、滑らかだ。横断歩行者や自転車の位置を、ドライバー側には警告サインとして表示することもできれば、路面温度のセンシングと絡めて氷雪マーク、標識を認識して逆走や車線変更禁止といった、より直観的な警告情報を表示できるのだ。もちろん道交法との兼ね合いはあるが、EU圏と日本はほぼ整合性があるので、実装のための障壁は予想されるより低いかもしれない。


《南陽一浩》

南陽一浩

南陽一浩|モータージャーナリスト 1971年生まれ、静岡県出身。大学卒業後、出版社勤務を経て、フリーランスのライターに。2001年より渡仏し、パリを拠点に自動車・時計・服飾等の分野で日仏の男性誌や専門誌へ寄稿。現在は活動の場を日本に移し、一般誌から自動車専門誌、ウェブサイトなどで活躍している。

+ 続きを読む

特集